草雨と書いて、さううと読みます。「草雨」とは身めぐりを濡らす、やわらかでしずかな雨のこと。と作者は記しています。
歌集 草雨 小松久美江著 角川書店発行
歌人小松久美江は、1942年豊橋市生に生まれて在住。短歌結社水甕 選者であり、歌集「樹のフーガ」「雲のスケルツォ」に続いての、第三歌集の上梓です。
数日前、郵送で歌集が着。謹呈の添え文あり。配偶者は水甕に所属していて、雲の上のような先輩からの歌集に喜びと、緊張です。
早速 午後のヤギ寄り添うチェアデッキで、拝読。346首 200頁余の冊子です。難解なことばもありますが、分りやすく、読んでいて理解できるのは歌人の生活の投影が垣間見えること。自然を愛していること。歌集の帯には、「歌を作ること、歩くことが私にとって生きることであったのかもしれません」と結んでいます。
新緑を見ながら、再読、熟読です。
路面電車に見るハリスト正教会うすき緑のやわらかな塔
雨の雫飲みたるやうな鳥の鳴くなりけふ三度目の雨
さあ君はどう考える行きなさい エンドロールが闇に続けり
歌集 草雨より転載