9月末 書籍郵便が豊橋市役所より着く。「郷土文芸作品集 平成27年度 第58回」です。豊橋市では、毎年豊橋文化祭行事として、現代詩、短歌、俳句、川柳の募集をし、選考した作品を掲載しています。今回524人 984作品があったと、作品集の「はじめに」に紹介されています。
配偶者の歌が掲載されました。
語り部の声にその日の亡父を見る八月七日の海軍工廠
選者講評
●八月七日の工廠被爆の日そこに居た父は、その日のことを多くは語らなかったのだろう。父が亡くなった今、語り部の語りでその日の父のことが見えて来たのだ。
●戦後七十年が過ぎようとも豊川海軍工廠の空襲による悲劇を忘れることは出来ない。語り部により当時の父の厳しい状況を理解した作者の心情が切なく伝わってくる。
〇親うさぎコメント
妻は、父に可愛がられ、多くの愛情を受けて成長しました。戦後生まれの娘に海軍工廠での被爆体験を家では語らなかったそうです。悲惨さと、同僚の多くの死を見て来たのだろう。戦後、生存者で構成された八七会では活動していました。昨年彼女は、自宅で子ども達を招いて、短歌仲間であり、被爆した女性によるお話し会を開催。多くの子ども達は、静かに聞き入りました。短歌知人のお話しに、亡き父が投影されたのでは。
配偶者がよく言うのは、お父さんが工廠被爆で亡くなっていたら 私は生まれていなかった。そして、私の子ども達も、孫もいなかったとシミジミ。どうも私の存在は薄いようです。
配偶者は、作品集のコピーを市内の実家に赴き、仏間に添えました。